2018年 12月 10日
国会で「脳卒中・循環器病対策基本法」が可決されました |
先週末に「改正入管法」の可決もあり、大きなニュースとなった第197回臨時国会は12月10日に会期末をむかえます。
この国会では、外国人労働者の受け入れ拡大について、与野党で多くの議論を割かれ、報道も繰り返しされましたが、今回は国民全体に影響がむしろあるのは、」「脳卒中・循環器病対策基本法案」が参議院議員で全員賛成で、ようやく可決されたことです。
今の日本、外国人への労働市場開放も大切ですが、今後、高齢者の占める割合が増えるとともに、こっちの方が医療関係者のみならず、国民にとって大きいインパクトがあります。
脳卒中は寝たきりの原因の第一位です。
要介護者等について、介護が必要になった主な原因についてみると、「脳血管疾患(脳卒中)」が17.2%と最も多く、次いで、「認知症」16.4%、「高齢による衰弱」13.9%、「骨折・転倒」12.2%となっている。男性の「脳血管疾患(脳卒中)」が26.3%と特に多くなっている(図1-2-3-8)。
こういった現状を見ると、健康寿命をさらに伸ばして、国民が安心して老後を健やかにすごせるためにも国がさらに力を入れていくのには正しいと考えます。
ちなみに「脳卒中・循環器病対策基本法」って正しい法律の名前は・・・・健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法
といいます。この法律の設立にあたって循環器疾患や脳卒中などの診療にあたってきた医師や学会など様々な支援を受けています。
これまでの経緯
平成21年から脳卒中関連14団体の後押しで立法化を目指していた「脳卒中対策基本法」ですが、平成26年に参議院に議員立法として発議されたものの、衆議院解散をもって廃案となりました。
その後、この法案を基にして心臓病対策も加えた新法案である「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法案」が検討されております。
要は、脳卒中対策だけではなく、心臓病もしっかりと国として対策にあたるために足掛け9年もかかった法律であることがわかります。
平成21年から脳卒中関連14団体の後押しで立法化を目指していた「脳卒中対策基本法」ですが、平成26年に参議院に議員立法として発議されたものの、衆議院解散をもって廃案となりました。
その後、この法案を基にして心臓病対策も加えた新法案である「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法案」が検討されております。
要は、脳卒中対策だけではなく、心臓病もしっかりと国として対策にあたるために足掛け9年もかかった法律であることがわかります。
http://www.junkankitaisaku-motomerukai.org/nece
法律がないと解決困難な問題
対策基本法(案)の基本理念
こうった国民が望むような医療の整備をすすめる法がいくら良くても、それを成立させるのがとても難しいのがわかります。
法律がないと解決困難な問題
- 脳卒中・心臓病予防のための継続的・全国的な市民啓発
- 義務教育における予防教育など
- 超急性期脳梗塞・心筋梗塞に対する再灌流療法の普及
- 救急受診を促す継続的・全国的な市民啓発
- 地域全体で超急性期脳卒中・心筋梗塞診療を担う医療機関のネットワークづくり
- 遠隔医療、ドクターヘリの配置
- 超急性期脳卒中・心筋梗塞治療を実施できる施設の把握
- 救急隊員の教育による的確な搬送先の選別
- 地域医療の質を客観的に評価する体制の構築
- 脳卒中・心臓病の発症登録、調査、評価、公表
対策基本法(案)の基本理念
- 予防と発症時の適切な対応に関する市民啓発
- 全国どこでも、適切な救急搬送・救急受診によって速やかに医療が開始され、維持期まで継ぎ目なく継続されること
- 後遺症患者と家族の、生活の質を維持・向上させ、社会参加を促すこと
- 専門的、学際的、総合的な教育・研究の推進、普及、活用
- 情報収集体制を整備し、分析し、活用すること
今回、法律の成立とともに、実際に整備が進み、日本全国で、どこでも国民が望むような救急医療や機能回復にむけたリハビリを受けられるようにさらに医療体制が整うことが求められます。
by skyteam2007
| 2018-12-10 08:15
| 医療