2014年 01月 07日
需要と供給:壊れかけたシステムを維持するコストは誰が? |
文部科学省が医学部定員を1割以上、増やしてきたにもかかわらず、やはり新年になっても、「20年後の首都圏 医師不足 東大試算 高齢化進み患者増」といった従来の論調の医師不足の記事を新年に立て続けにみることになります。
首都圏周辺部の医師不足はすでに現実のものとなってきていると感じますが、それが何とか回っているのが突然、回らなくなる日が来るかというと「まえならできたこと」が出来なくなるという形でしか顕在化しないと思います。
病院にかかりつけであっても、救急受診を断られるなんてのは日常茶飯事ですし、救急車が10回以上受け入れ先を断られて、収容先が遠くの病院になるなど、そういう形ではすでに現実です。
本来ならば、救急車の要請をある程度、抑えることを行う必要があるにもかかわらず、それさえしないで行政が病院側に押し込むことには限界があると感じています。
昨日のWBSで紹介されていた千葉県のように100億円かけてICTを整備した「NECが千葉県の消防関連システムを構築、共同運用で広域災害対策を強化」するようなこともありだと思いますが、そもそも医療需要が増えてきたのを効率化で乗り切れるとは思えません。
逆に需要を抑えるという意味では、病院にかかる前にかかりつけ医師の早期受診の推奨や、地域で夜間救急を行う
「夜間診療所」の拡充も行う必要があります。
突然の症状、すぐに救急車といった越すとのかかるインフラを「気軽」に利用するのではなく、やはり受益者に一部負担を求めるべき時代ではないのかな?と感じています。
また、刑務所の医師のように必要な医療もありますが、別に専属の医師を雇うのではなく、その全員がふつうの医師として刑務所が立地する医療機関で働く形に、つまり刑務所の医療を地域の医療機関に完全にアウトソーシングするような形もありだと思います。
医療や介護で足りないのなら工夫が必要ですが、従来のやり方ではダメなら、根本的に仕組みを変えていくことで医療を変えていく時代になっているんだと思います。
現状の医療システムを維持し続けるコストもそろそろ問題になると思います。救急車の利用も制限をかけるのではなく、本当に必要性の高いものについては従来通り無料で、入院にもならないような場合はタクシーなどを利用するか当然の負担を求めていくのが当然にしなければ、さらに不必要なコストを国民全体が負担するとともに、医師や看護師といった限りある労働者の負担は減らないように感じています。
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NECが千葉県の消防関連システムを構築、共同運用で広域災害対策を強化
ITpro 日経コンピュータ 2013/10/08
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20131008/509826/
ITpro 日経コンピュータ 2013/10/08
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20131008/509826/
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20年後の首都圏 医師不足 東大試算 高齢化進み患者増
読売新聞 2014年1月6日
http://premium.yomiuri.co.jp/
75歳以上の高齢者が総人口の2割を占める2035年には、
日本では病院で亡くなる人が約8割を占めるため、高齢化が進み、
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深刻な刑務所の医師不足、打開策はあるか?-有識者検討会・
キャリアブレイン 2014/1/6
http://www.cabrain.net/
「ここで何か抜本的な手を打たなければ完全に崩壊してしまう」―
by skyteam2007
| 2014-01-07 07:15
| 医療