2016年 11月 19日
要注意:シモンチーニ偽医師来日して集金イベントだってよ |
まぁ、シモンチーニ医師と言ったら「癌の原因はすべて真菌で、重曹を使ったら治る」と言って患者から大金を巻き上げるのがお仕事だというのが日本のブロガー医師の標準的知識です。
もちろん、自分もこのイタリア人の元医師が何をやらかして、「医師免許を取り上げられた」かは下記の通りNATROM先生のブログなどを通してですが。
NATROM先生のブログ「NATROMの日記 」
癌は真菌であり、重炭酸ナトリウムで治療可能だったんだよ!
癌は真菌であり、重炭酸ナトリウムで治療可能だったんだよ!
幻影随想より
ちなみにシモンチーニ氏の「医療」については怪しい健康サイト「酵素カフェ」とかで紹介されていますが、がん治療とか正しく伝えるような内容ではないようです。
「シモンチーニ博士の「がん発生&撲滅メカニズム」と真菌予防なメープルシロップ重曹」
こう言う怪しいサイトで紹介されているのは「伝聞形」で実際に治療を受けた患者本人の話は入っていません。
客観的に見るにしてもTulio Simonciniで検索してもいわゆる一流の雑誌では見当たりません。医学書にも紹介されないのに、ごく一部の人がすがるだけの「有効性」や「安全性」そして「結果」について客観的な評価がないまま、売りに出しているように見えます。
自分自身は、癌の臨床経験は多くはないのですが、このような怪しい民間療法にお金を突っ込んで、なくなっていった人は少なからずいるのは知っています。
ただ、わざわざ外国からやってきて「高額なお金をふんだくる」お仕事をされているのは、ちょっといただけません。まして医師の資格があるのではなく、「怪しい医療のために処分されて資格を失った」医師が何をしでかしているか全く見えないからです。
まぁ、注意しておきます。こういった偽医療がはびこっていますが、こっそり相談に行けば、治るとかではなく、「金を巻き上げられるがオチ」です。貴重な時間とお金を医学の専門書にも載っていない怪しい医療詐欺にかかりに行くことはありません。
専門医が見向きもしない、あるいは製薬企業も開発しないような治療法はほとんどが「まがいもの」です。
彼らはお金だけではなく、時間を奪うのでやめましょう。代替医療や健康職人で治ったなどを騙るサイトは多いですが、彼らがやっているのは患者さんのための「サイエンス」ではなく「集金業」。
ゆめゆめ、付き合うことはないように。
あえて、シモンチーニ医師のサイトは紹介しません。たとえそれを見ても「値段がふっかけられている」ので、通常の人はそれを支払うために会うのは、ためらうと思われます。
民間療法が全てが危険というつもりはありません。しかし、「病気」が治らないからと言って、見も知らない医師免許もイタリアから取り上げられたような人物の評価の定まらないものに手を出すよりは、しっかりとした専門医と一緒に向き合うべきですね。
なお、参考までに11/20(日)はNHKスペシャルでPrecision Medicineが取り上げられます。従来では考えられなかった治療法が見つかるかもしれないそういう話です。一般の方にはこちらの方がよっぽどいいかと思います。
NHKスペシャル “がん治療革命”が始まった ~プレシジョン・メディシンの衝撃~ 11月20日(日) 午後9時00分~
日本人の2人に1人がかかる病、がん。その治療が根底から変わろうとしている。――
進行した大腸がんを患う48歳の男性。4度にわたる再発を繰り返し、手術不能とされていた。しかし、ある薬の投与によって腫瘍が43%も縮小。職場への復帰を遂げた。投与された薬とは、なんと皮膚がんの一種、メラノーマの治療薬。今、こうした従来では考えられなかった投薬により劇的な効果をあげるケースが次々と報告されている。背景にあるのは、がん細胞の遺伝子を解析し速やかに適切な薬を投与する「プレシジョン・メディシン(精密医療)」だ。日本では去年、国立がん研究センター東病院など全国200以上の病院と10数社の製薬会社によって「SCRUM-Japan(スクラム・ジャパン)」と呼ばれるプレシジョン・メディシンのプロジェクトが始動した。進行した肺がんと大腸がんを中心に、がん細胞がもつ遺伝子変異を詳細に解析。効果が期待できる薬を選び出して投与する。これまでに7000人近くの患者が参加し、肺がんでは1/8の人に薬が効く可能性のある遺伝子変異が見つかった。100人ほどが実際に臨床試験に入っている。このプロジェクトに参加する患者に密着しながら、プレシジョン・メディシンはがん治療をどう変えようとしているのか、がん患者とその家族に何をもたらすのか、先進地のアメリカの最新事情とともに、その可能性と課題を見つめる。
by skyteam2007
| 2016-11-19 22:58
| 医療