2014年 09月 16日
死と隣り合わせの水中分娩:無許可助産院の顛末 |
医師として、長時間の分娩のために胎児死亡や子宮内感染など危険性が高い水中分娩は絶対に
「推奨」しません。
安全な出産のためには、きちんとした産科医のバックアップのある助産院でなければ無理です
し、今回のように「無認可」であれば、何かあったときは非常につらいことになります。
気の毒なことに、無認可の助産院で、お母さんになるのを夢見ていた女性の命を奪った助産院
の問題だけではありません。
こういった「水中分娩」で人気を得ようとする、助産師が多いのですが、まったく推奨できない
どころか、なんらメリットもないのに、「満足度」が高いとか「自然」といった誤った情報で
結果として妊婦を死に至らしめてしまったことについて、助産院は反省すべきですし、「禁止」
してもいいと思います。
哺乳類で水中で分娩するのはクジラやイルカなど少数です。ほとんどの陸上で暮らす哺乳類は
水に漬かっては分娩をしません。
なぜしたがるのか?それは「怪しい」民間療法と同じで、自分たちが学校で習いもしないのに、
そういった特殊な分娩を推奨することで効果を訴えて、安全性を無視してでも金稼ぎをしたいと
考えていると断じてもいいと思います。
「水中分娩」は「死と隣り合わせ」。覚えておいていただくとともに、可能な限り避けていただ
きたいですね。無責任な助産師を放置している行政にも責任がありますが、おそらくまだ今後も
こういった施設は全国にいっぱいあるはずです。
ありません・・・。
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2014.9.16 13:37 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140916/crm14091613370009-n1.htm
無許可で助産所を開設し、出産時の出血で女性を死亡させたとして、神奈川県警は16日、業務上過失致死と医療法違反の疑いで、相模原市南区の「のぞみ助産院」院長の女性助産師(69)を書類送検した。
書類送検容疑は昨年4月27日、入院中だった相模原市中央区の女性=当時(33)=が男児を出産する際、多量の出血をしたのに必要な措置を取らず、搬送先の病院で同28日に死亡させた疑い。
また昭和62年2月から行政の許可を得ずに助産所を開き、医療法で求められる緊急時の嘱託先病院も平成20年4月以降、決めていなかった疑い。
また昭和62年2月から行政の許可を得ずに助産所を開き、医療法で求められる緊急時の嘱託先病院も平成20年4月以降、決めていなかった疑い。
(以下略)
by skyteam2007
| 2014-09-16 16:16
| 医療