2014年 03月 10日
国に期待していいのか? |
日本の医療・福祉政策は手厚いとされていましたが、今後を占うものとして、[社会保障と税の一体改革 ]があります。
もっとも、目の先は予算審議と今後、医療法の改正などですが、今回の診療報酬改定で、病院での長期療養のビジネスモデルから訪問診療と外来で支える医療へ大きく舵を切った厚生労働省の動きに、国民はもちろん病院も大きな影響を受けることは否定できません。
これは従来にも増して高齢者が増えることを意識して、国としてこれまでの医療費、社会保障費の拡大を抑えるために一定の社会保障制度のルールを厳格化することになると思います。
またタイムラインもきちんと管理されていることは以前「我々を待つ未来の形:もう後戻りのできない医療福祉制度改革 」で書きましたが、下記のように今後1~2年の間でもいくつもの法改正などが待っているので、これまでと違う社会保障制度がだんだんと明らかになると思います。
国民皆保険制度を維持するというのは、国民的なコンセンサスですが、そのためにどこかを削る必要が出てきており、それがいわゆる手厚い福祉のどこになるかはまだ見えていませんが、救急とか重症患者さんの対応はともかく、風邪のうがい薬のみの処方について今回の診療報酬改定で外されたように、セルフメディケーションで済むような部分は、おそらく厳しくなっていくように思います。
また高度な先進的医療については、認められるためにはそれなりにアウトカムで優れたもののみしか採用されません。民間医療でやっているような怪しげな免疫医療についても、当面の間、認められても、科学的な論拠のないものは排除されるべきですし、そういった意味では国の監視は厳しいものになると想像しています。
イノベーションといえば、医療機器とか医薬品ですが、そういったものを造って売るだけでは予算が厳しいので、トータルパッケージあるいは健康サービスとしての可能性を民間が追求する動きを見せると思っています。
遠からず、国民一人ひとりの健康寿命を意識した介入が増えてくるように感じています。国はその動きを抑制はせずより推進することになるのではないかと感じています。
政府に期待しすぎてはいけませんが、従来よりも公的な医療に対する責務が医療側にも国民側にも出てくると思います。過度の救急医療の乱用は慎むべきですし、そのために助かるはずの命が失われないような仕組みを考える時代に入ったのだと思います。
by skyteam2007
| 2014-03-10 09:21