2014年 02月 26日
地域包括ケア病棟の創設:次はセラピスト(OT,PT,ST)不足? |
ちょっと前は7対1病床の取得のためやっきになって公立病院が看護師さんを集めて、看護師不足が大問題になりました。今度はどうもセラピスト不足になりそうです。
そもそも、年間5万人合格している看護師さんに比べても、セラピストは少ないです。
もちろん回復期リハビリテーション病院などが増え、地方では充実してきたところもありますが、東京あたりは回復期病院が不足しています。
といったもので、今回の地域包括ケア病床にはリハビリの専属のスタッフが求められています。
スタッフは急には増やせません。すでにある回復期病院だって、今回の改定で厳しくなり、高い加算を得るためにリハビリスタッフの採用を増やしています。
結局、医療の場合、たいてい「人」が要件になっていて、ハコモノとしての病院が出来ても、医師、看護師、薬剤師、リハビリスタッフなどが足りないと、規定の算定基準を満たせず、黒字にはなりません。
基本的には文字通り「包括」である地域包括ケア病院は、「亜急性期病床」といわれていた病床の代わりで、それを満たすための要件については中医協も突然出してきた感があります。
2-3年前から、中小規模の病院の再編が必要とは議論されていましたが、これを満たすためにはまた人の争奪戦が始まってしまう…という意味では「7対1看護」の導入時と同じような感じになりそうで、獲得競争に負けてしまうと、病院として厳しいことになるだろうということです。
資本主義ですから、自由な競争が望ましいです。逆に医療は競争についてはあまり意識していなくて、せいぜい患者さんの獲得、医師の獲得といった程度でしたが、2年に一度の病院の診療報酬が変わるため、ルールがじゃんじゃん変わります。
病院もスタッフもめまぐるしく対応することで、「制度」変更に振り回されすぎる感じがあります。むしろ今後は「医療者」として必要な医療を提供を続けるために、何が必要なのか考えることも大切かと思いつつも、いきなりあと半年で亜急性期病床が消えて、どうするかみんな悩むだろうなぁ・・・です。
by skyteam2007
| 2014-02-26 20:38
| 医療