2014年 02月 06日
人材不足と待遇改善活動:看護師さんは「上手」だな・・・? |
「看護師の75%「辞めたい」- 理由は人員不足、医労連の労働実態調査」という記事が流れました。
個人的には、医療は人的資源を必要とします。看護師さんの75%が止めたがる理由が人員不足ってのはたいへんな誤解を生むので止めた方がいいと思っています。
「2013年(平成24年度)国家試験合格状況一覧」を見ると、毎年5万人もの方が、看護師さんとして育成(合格)されているのが分かります。
彼らが継続して働ける職場にしていく必要があります。しかし、現実問題として今や一年間に日本で生まれる子供の出生数は103万7101人です。(日本の出生数・婚姻数―最新月別統計 を見ると、いよいよ100万人を切りそうな勢いですが。それは今月末に判明します)
生まれる子供のうち半分は男子で、看護師さんの大半を占める女性は50万人、すると、10人に一人は看護師さんという社会です。
逆にいうと40人学級だと、クラスのうち2人は確実に看護師さん、そしてもう一人は薬剤師、臨床検査技師、臨床工学士さんなどのパラメディカル系職種(整体師などは除く)になります。
医師・歯科医師:10,060人(7,696名・2.364名)
他のメディカルスタッフ:87,361人
<内訳>
看護師 50,224名
薬剤師 8929名
臨床検査技師 3,162名
臨床工学技士 1,779名
診療放射線技師 1,615名
理学療法士 10,115名
作業療法士 4,084名
歯科衛生士 5,832名
言語聴覚士 1,621名 計 87361
医師 7,696名
歯科医師 2.364名 計 10060
こういったことで、100万人の出生率のうち、医療系職種が10%弱(9.7万人)を占めています。今後も高齢者が増え、医療や介護職種が必要になるのはいうまでもないのですが・・・「看護師の75%「辞めたい」- 理由は人員不足、医労連の労働実態調査」という記事からわかるように医療者の中で、看護師さんは上手だな…です。
もちろん、夜間を問わず病棟で看護師さんがたいへんなのは理解しますが。できれば他の職種との比較も知りたいです。医師だって「辞める」ことは考えますし、リハ技師さんだっておそらくは…です。
「医労連・日本医療労働組合連合会」が看護協会とは違うのは、「日本で唯一の医療労働者の産業別労働組合」だということで、この中には医師もリハ技師さんたちも含まれるはず。そういった意味では、実態調査の対象が偏ってしまっているのだと思います。
看護師さんをこれ以上増やせるかというと、こういうネガティブな記事だけではだめで、働き甲斐がいっぱいある仕事だし、結婚しても就職復帰が可能で、パートなどでも働けるいい仕事だと思います。
で見ても、上位にあるのは
1位 大学教授 1026.2万円、と2位 大学助教授は…高いのですが、平均年齢が高く、珍しいので検討の対象ではなくその他を見て行きます。
すると…
3位 高等学校教員
4位 医師
5位 記者
6位 各種学校・専修学校教員
7位 航空機客室乗務員
8位 臨床検査技師
9位 自然科学系研究者
10位 システム・エンジニア
11位 一級建築士
12位 歯科技工士
13位 看護師
14位 薬剤師
上記で、上位13位であり、かつまた20代で400万円をとれるのは看護師さんを含め3職種(他はシステムエンジニアとテレビ組立工?)だけです。
もちろん、女性の仕事としても、尊敬されますし、万が一身内が病気やけがをした時も相談相手として頼りになるのは実は看護師さん(医師より他の病院のことや広く病院にネットワークをもっています)。
そういった意味では「辞めたい」を前面に出すよりは、「看護師のやりがい」が大切でと思います。
『仕事のやりがいについて「強く感じる」は11.4%、「少し感じる」は60.3%で、やりがいを持っているという回答が7割強に上った。「やりがいを強く感じる」と回答した割合を職場別で見ると、訪問看護関係が突出して高かった。』
こっちの方を出してほしいですね。
労働組合としては、看護師の待遇改善が先なのはわかりますが、「看護師さんって大変そうだから…」っていう人も多いので、そうじゃなくて、一人前になるまではたいへんですが、結婚しても大丈夫。みんなで楽しく働ける、安心して産みながら育てながら働ける仕事という職種のいい点もしっかりと出すべきだと思うんですがねぇ。。。
そういう意味で医師も一時、「医療崩壊ブーム」の時に、勤務医はたいへんだから…という声がありましたが、看護師さんや医師を増やすためには、「待遇が悪い」のを選ぶよりも「働き甲斐」がある、そして「感謝される」仕事だってのをもっとアピールしないと優秀な人は集まりにくくなりますよね。
つまり医療現場から「ブラックだ~」と言い続けることは、国民にとっても医療職種はブラックなところが多いとミスリーディングして、優秀な人が来なくなってしまう危険性をそろそろ考えないと、いけませんよね・・・汗。
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http://www.cabrain.net/news/article/newsId/41976.html
全国の看護職員の4人に3人が仕事を辞めたいと思いながら働いていることが、日本医療労働組合連合会(医労連)の労働実態調査で明らかになった。その理由は、「人手不足で仕事がきつい」が最多で、次いで「賃金が安い」「思うように休暇が取れない」「夜勤がつらい」などが多かった。また、7割以上が慢性的に疲労を感じていることも分かり、看護職員の厳しい勤務環境の実態が浮かび上がった。この結果について、東北福祉大の佐藤英仁専任講師は、「人員不足の解消がすべての看護問題解決の鍵と示唆される」とコメントしている。【丸山紀一朗】
仕事を「いつも辞めたいと思う」のは19.6%、「ときどき辞めたいと思う」のは55.6%だった一方、「辞めたいと思わない」のは16.8%にとどまった。「いつも辞めたいと思う」の回答者を職場別で見ると、病棟勤務の看護職員の割合が外来や訪問・在宅関係と比べて高かった。また、勤務形態別では、「3交替」と「2交替」の割合が「日勤のみ」に比べて高く、医労連は「病棟での夜勤交代制労働の負担が離職の要因となっていることがうかがえる」としている。(以下略)
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全国の看護職員の4人に3人が仕事を辞めたいと思いながら働いて
仕事を「いつも辞めたいと思う」のは19.6%、「
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by skyteam2007
| 2014-02-06 18:52
| 医療