[犬と鬼…これが美しい日本なのか?] |
ちょっと先日、文化的な講演会に聞きに行きました。まぁ、医療とはまったく関係ないの会なので、いろんな方たちに会いました。
たくさんのSFCの学生さんたち・・・を連れている先生とか、俳句を詠まれている美しい歌人の方、東北の職人さんの仕事を紹介されている方など。健康食品を売るためにいっぱいバイブル本を書いている、医学博士とか・・・(日野原先生との対談のパンフレットを持ってこられてます、自分が医者だと知っての態度、とっても商売熱心…汗)。
講演の主催は「構想日本」という、これから21世紀の日本を考え、政策をつくり、実現をめざすNPO法人で、教育や医療、外交、政治などいろんなテーマでお客さんをお迎えしてって奴で、自分は小松先生の講義じゃなかった講演の時がはじめてで二回目。
「美しい日本」について話そう ~ 美しい国とは何がどうであることなのか ~
ゲストはアレックス・カー氏と万葉学者の中西進先生の対談でした。中西進先生やアレックスカー氏をご存知ないというと…ちっとも楽しくないかもしれませんが、この講演はとても、政治家がいう「美しい日本」と対極にある今の日本を気づかせてくれました。
中西先生は万葉学者ですが、アジアの文化について比較の上で、今の日本の「あたりまえ」が異常であって、都市部と地方でフラットではないのに、すぐに同じ形を求めてしまう現状を憂えておられました(教育も文化も…)。
アレックスカー氏は、日本の失われつつある美しい景色や町並み、暮らしに…警鐘を鳴らし続けている方です。新しい建物のために、山を削り、土建屋さんが森を切り開き、川もコンクリートだらけにしてしまう様子をスライドショーにして見せてくれました。京都の町屋がこの5年ほどでどんどん壊され、町並みが破壊されている姿、高野山や祖谷など観光名所なのに、まったく鈍感な観光開発。それを「美しい日本」だと言い続ける安倍首相をはじめとする日本人の鈍感さ。
アレックス氏の活動はこちらがいいかと思います。
犬と鬼―知られざる日本の肖像
アレックス カー (著)
出版社/著者からの内容紹介
数々の文化遺産、美しい国土、すぐれた教育制度、世界一の個人貯蓄。それがありながら、なぜ日本は道を踏み外すのか?『美しき日本の残像』(新潮学芸賞)の著者による衝撃的日本論!肌で感じる痛切さがあり、率直で熱烈、有益で強烈だ。
――(ファイナンシャル・タイムズ)『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(1979年、エズラ・ヴォーゲル)、
『日本/権力構造の謎』(1989年、カレル・ヴァン・ウォルフレン)、そして本書。過去10年で最も重要な日本論。
――(バロンズ)『犬と鬼』は、日本に対する愛のムチとでもいうべき本だ。日本人はこの本を不愉快な批判として片づけるのではなく、耳を傾け新しい道を切り開く指針とすべきだろう。
――(ニューズウィーク)この重要で意外とロマンチックな本には、明快で鋭い観察があふれている。
――(ニューヨーク・タイムズ)『犬と鬼』は戦後日本の成長と失墜に少しでも興味がある人にとって必要不可欠だ。
――(ウォールストリート・ジャーナル)
日本の政治指導者は国家と国民に恐ろしい犠牲を払わせた。その大きな代償をきちんとした筆致で率直に明らかにしている。
――(ドナルド・リッチー)日本人、そして我々のためにも、この本が「常識に還る」動きに貢献することを望んでいる。
――(カレル・ヴァン・ウォルフレン)
chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)chr(hex 45)---
日本人の忘れもの
中西 進
Amazon.co.jp
「WEDGE」の人気連載「日本人の忘れもの」の1999年5月から2001年1月までをまとめたもの。もともと3回限定の企画だったのがあまりに好評なため、2年にわたって続いたというからその人気ぶりがうかがえる。
出版社/著者からの内容紹介
お待たせしました--大好評の本誌連載が、いよいよ書籍になりました!
日本人の忘れもの――それは「米百俵の精神」だけではありません。
たとえば、「まけるが勝ち」といいます。勝つためには、いったん敗ける。そして相手に生かされる道を探るのが、日本人の生き方でした。
たとえば、「ご飯をよそう」といいます。「よそう」とは、装うと同じで、美しく飾ること。妻が夫にご飯をよそうときは、そんな気持ちがこめられていました。一生懸命に走ってきた日本人は、いつのまにか自分たちがもっていた「いいところ」を忘れてしまい、いま自信をなくしています。嫌な世の中と嘆くばかりで、では何を大切にして生きていけばいいのか、答えがなかなか見つけられません。
そんなわたしたちの、「心」と「躰」と「暮らし」にある忘れものを、21個、お届けします。