[医療裁判]勝っても負けても |
2006年11月01日
京都大医学部付属病院(京都市左京区)で00年3月、人工呼吸器に消毒用エタノールが注入され、入院中の藤井沙織さん(当時17)が死亡した医療事故で、両親が京都大と医師、看護師に計約1億1400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、京都地裁であった。中村哲裁判長は「致死量を超えて吸引させ、エタノール中毒で死亡させた」と述べ、大学と看護師4人に計約2800万円の支払いを命じた。
判決によると、脳神経系の難病「リー脳症」で入院していた沙織さんは00年2月28日、人工呼吸器の加湿器に水の代わりに消毒用エタノールを看護師に注入され、3日後の3月2日、急性エタノール中毒で死亡した。中村裁判長は「ラベルを見るなどして確認すべき注意義務を怠った」とし、看護師4人の注意義務違反と大学の使用者責任を認定した。
両親は「組織的な事故隠しがあったのは明らかだ」として病院ぐるみの事故隠しによる慰謝料も求めていた。しかし、判決は「あえて事実を隠蔽(いんぺい)する意図があったとまでは認められない」と退けた。医師2人については「異状を想定することはできなかった」として責任を認めなかった。
判決後、父省二さん(50)は組織的な事故隠しが認められなかったことについて「京大病院の権威に対してはとことん甘く、非常に厳しい判決だ。怒りを次へのバネにする」と控訴する意向を示した。母香さん(50)は「裁判所に裏切られ、司法に失望した」と話した。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200611010065.html
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医療裁判で勝っても…やはり「救済」されたりはしないようですね。ちなみに小松先生の講演会で指摘されていた言葉をのせておきます。
「医療の結果、傷害を受けて、生活に困るようなことがあれば、医療に過失があろうがなかろうが必要な援助はなされなければならない。しかし、患者が死亡したときに遺族が莫大な賠償金を得ることには、大きな問題がある。」
今回の事故はあってはならないことで、再発防止のためにも、現場の職員が「どうしてアルコールを吸入させちゃったのか?」「予防するにはどうしたらいいのか?」そいう視点で語られればいいのですが、人数不足が原因ではないのか?ここへ「光」が当てられずに、裁判で争ったり報道されることは不毛だと思いました。